母子家庭の母等申立書 記入例【自治体別・給付金別の書き方完全ガイド】

現役の母子支援員が解説する申立書の書き方ガイドです。自治体による違いや給付金の種類別の記入のコツを、実例を交えて説明します。記入に困ったときは、このページをご参照ください。

目次

給付金の種類別・記入例の違い

申立書の種類によって、重視されるポイントが異なります。

【児童扶養手当】
・収入の正確な記載が重要
・扶養人数の詳細な記入
・児童の就学状況

【高等職業訓練促進給付金】
・資格取得計画の具体性
・現在の就業状況
・訓練期間中の生活設計

【母子寡婦福祉資金貸付】
・使途の明確な説明
・返済計画の実現可能性
・連帯保証人の情報

自治体別の申立書の特徴と記入のコツ

自治体によって申立書の様式や審査のポイントが異なります。

【東京都】
・電子申請対応(マイナンバーカード必須)
・所得証明は2年分必要
・民生委員の証明が原則不要

【大阪府】
・区役所での事前相談が推奨
・所得証明は1年分で可
・民生委員の証明が必要

【横浜市】
・オンライン予約可能
・子育て支援課での面談必須
・就労証明の様式が独自

申立書の審査で重視されるポイント解説

元審査担当者の声をもとに、重要ポイントを解説します。

【審査のチェックポイント】
・収入申告の一貫性
・就労状況の具体性
・支援を必要とする理由の明確さ

【よくある指摘事項】
・収入額と源泉徴収票の不一致
・就労時間と保育必要量の矛盾
・養育費の受領状況の説明不足

ケーススタディ:困った時の記入例

実際にあった相談事例をもとに、解決方法を紹介します。

【Case1:収入が不安定な場合】
従事者:飲食店パート
状況:シフト制で収入変動あり
記入例:
・基本給:時給1,200円×月平均120時間
・賞与:年2回(前年実績を記載)
・その他手当:シフト手当等(6ヶ月平均を記載)

【Case2:養育費が不規則な場合】
状況:取り決めと実態が異なる
記入例:
・取り決め額:月額50,000円
・実受給額:年間240,000円(実績を記載)
・備考欄:「不定期での受け取り」と明記

【Case3:就活中の場合】
状況:現在就職活動中
記入例:
・職業訓練校在籍中
・応募中の業種:一般事務
・希望雇用形態:正社員
・活動状況:月平均5社面接

申立書審査通過率を上げるテクニック

支援員1000件以上の申請サポート経験から得た、審査通過のコツを紹介します。

【証明書類の準備】
・発行3ヶ月以内が原則
・コピーは両面を忘れずに
・原本証明の押印位置に注意

【記入の際の工夫】
・数字は電卓で再確認
・提出前にコピーを取る
・下書きを活用

【面談対策】
・申告内容の詳細を把握
・関連書類は整理して持参
・今後の計画を具体的に説明

申立書記入時の「やってはいけない」ポイント

審査担当者が指摘する、申請却下の原因となりやすい項目です。

【記入時の禁止事項】
・概算での金額記入
・あいまいな表現の使用
・修正液の使用
・鉛筆・消えるペンの使用

【内容面での注意点】
・収入の過少申告
・就労実態との不一致
・将来計画の非現実性

【提出時の問題点】
・期限ギリギリの提出
・書類の不足
・押印漏れ

実践的な記入例:給付金別の記入ポイント

【児童扶養手当申立書の記入例】
■基本情報欄
氏名:板橋幸子(いたばし さちこ)
生年月日:1990年5月15日
住所:東京都板橋区板橋1-2-3
電話:090-1234-5678

■世帯状況
・本人:パート従業員(スーパー)
・長男:中学2年生(14歳)
・次男:小学4年生(10歳)

■収入状況の詳細
・パート収入:158,000円×12ヶ月=1,896,000円
・扶養手当:12,000円×12ヶ月=144,000円
・養育費:35,000円×12ヶ月=420,000円

【高等職業訓練促進給付金申立書の記入例】
■基本情報
氏名:新宿美咲(しんじゅく みさき)
生年月日:1988年8月20日
住所:東京都新宿区新宿4-5-6
電話:090-8765-4321

■訓練計画
・取得資格:看護師
・訓練機関:東京医療専門学校
・訓練期間:2024年4月~2027年3月
・取得後の就職先:一般病院(正看護師)

■現在の就業状況
・勤務先:○○クリニック
・職種:医療事務
・勤務時間:9:00-15:00
・月収:168,000円

【母子寡婦福祉資金貸付申立書の記入例】
■基本情報
氏名:江戸川和子(えどがわ かずこ)
生年月日:1992年12月10日
住所:東京都江戸川区中央1-2-3
電話:090-2345-6789

■貸付希望内容
・貸付種類:事業開始資金
・貸付希望額:1,500,000円
・使途:美容室開業資金
・返済計画:月額25,000円×60回

■事業計画
・開業予定地:江戸川区西小岩
・予想月商:800,000円
・経費概算:500,000円
・収支見込:月利益200,000円

申立書の再提出が必要になった場合の対処法

審査で不備を指摘された場合の修正例です。

【収入関連の不備】
修正前:「給与収入 約180万円」
修正後:「給与収入 1,836,500円」
※源泉徴収票の金額と一致させる

【就労状況の不備】
修正前:「パート・アルバイト」
修正後:「パート従業員(スーパー惣菜部門)
    週5日勤務 9:00-15:00」
※具体的な就労形態を明記

【養育費の不備】
修正前:「月3万円程度」
修正後:「養育費 年額360,000円
    (月額30,000円×12ヶ月)
    調停調書による取り決めあり」

申立書提出後によくある質問と回答例

【口頭での補足を求められた場合】
質問:「パート収入の変動について」
回答例:「繁忙期(12月)は月20万円程度、
    通常期は月15万円程度です。
    年収で計算し記入しました。」

質問:「養育費の受給状況」
回答例:「調停での取り決めは月5万円ですが、
    実際の受給額は月3万円で、
    毎月15日に口座振込です。」

【追加書類の要請への対応】
要請:「直近3ヶ月分の給与明細」
対応:「給与明細のコピーと、
   給与振込口座の通帳コピーを提出」

要請:「就労証明書の発行」
対応:「会社の押印付き証明書を
   翌営業日までに提出」

まとめ:申立書作成の重要ポイント

・具体的な数値での記入
・事実に基づく正確な情報
・必要書類の完全な準備
・記入後のダブルチェック
・提出前のコピー保管

各種支援制度を適切に活用し、より安定した生活を築くための第一歩として、申立書の正確な記入を心がけましょう。不明な点は、各自治体の母子福祉担当窓口に積極的に相談することをお勧めします。

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